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最近のスゴイ行者の話
さて、大昔の行者の話から、最近の話。

修験道というとほとんどの人が関係ないし、
なんだか時代がかったものだなあ、と思うかもしれないけど、
今も脈々と受け継がれているんですね。

たとえば、役の行者の業場で修験道のメッカ、
吉野・大峰山系は、いまだに女人禁制だし、
知り合いの行者は、行者をするために仕事を週四日やって、
それ以外のすべてを行に捧げている。
すごいですよねえ。スゴイ世界ですよ。

たとえば「塩沼 亮潤」さんという方。

この方は、「大峯千日回峰行」と言う
吉野修験の中でももっとも過酷な行を満行。
1300年の吉野修験史上、この行を成功させた人は
なんと二人しかいない(!!)そうですよ!

1300年間で二人しか成功してないってすごくないですか??

しかもこの方、現在39歳。
満行したときは若干29歳。
ちなみに、この行は11年かかって達成されていますから、
始めたのはなんと18歳からですよ!
スゴイ、マジでスゴイとしか言いようがない。

ところで、この行の中身ですが。

大峯山のふもとから、48キロメートルの山道を16時間で登り
一日のうちに帰ってくることを千日行います。
吉野では、登る期間は5月から9月の4か月間で120日と決められているそうで
そのため順調にいっても11年目かかると言う計算。

一日のスケジュールはこんな感じ。
23時に起床。滝で体を清め、
行者の参籠所(さんろうじょ)へ行き、小さなにぎりを2個。
0時半から山へ。大峯山頂の行者がいる宿坊に着くのが8時半ごろ、
おにぎりを食べ帰ってくるのが15時半ごろ。
帰ってきて、泥だらけの装束を洗い、
掃除をして日記をつけ就寝は19時ごろ。
それから4時間半ほどの睡眠。

ぐっは~。。
過酷過ぎる!!
明らかにカロリーも睡眠も足りなくないですか??

さらにさらに、
満行した後、千日回峰行とセットになっている「四無行(しむぎょう)」も行っています。
これは、9日間の断食・断水・不眠・不臥(ふが)。
まわりの人は、死臭がした(??!)と言っていたそうで。
とはいえ無事この四無行も達成されました。
さらにその後、八千枚の大護摩供にも挑戦し、これも見事に満行。
護摩供というのは、いわゆるお焚き上げです。
8千枚もの護摩を焚き上げるのは、ものすごく大変。
普通に焚き上げても護摩板が燃え上がる炎の火力で
睫毛や眉毛もこげてなくなってしまうほど。
それを8千枚ですから、これもまた超絶な修業です。


それにしても同世代にも
こんなスゴイ人がいるなんてなあ。
ふと自分を省みてため息をついてしまいます。

さらに現在も千日回峰行に挑んでいる同世代の人がいます。

星野圓道さんという天台宗のお坊さんです。
この人は、昨年末に【堂入り】(大峯山風に言うと四無行)を乗り越えたので、
今年最後の120日間を乗り越えれば、回峰行を満行されるとのこと。

現在33歳。
始めたのは22歳。
大学を卒業してすぐに行に入ったという計算ですね。ふうむ。


いやはや、スゴイです。
昔はすごかった、ではなく、
スゴイ人はどんな時代でもスゴイのです。
by ichimorimube | 2008-06-28 00:58