天才ってなんだ~空海さんリコメンド①~
さて、密教ということで、前回では
弘法大師・空海さんにちくっと登場してもらいました。

日本史上において、「天才」って言ったら、
間違いなくこの空海さんですね。
日本の文化においてこの人が与えた影響はあまりにも大きい。
ルネッサンスに対してのレオナルド・ダ・ヴィンチ、
いやそれ以上の存在と言えるかもしれない。


というわけで、今回はこの宗教・思想・哲学・文学に留まらず、
治水・工学など、あらゆる面でその才能を発揮した空海さんをリコメンド。


さてこの空海さん、四国は讃岐(善通寺のあたり)の出身。
俗名は「佐伯真魚(さえきのまいお)」と言い、
讃岐の有力土豪・佐伯氏の総領息子として誕生しました。
時は桓武天皇の御世、長岡に京があった時代です(8世紀後半)。

とっても頭が良かったので、一族の期待を背負って
京都の大学に入学しましたが、
暗記ばっかりの大学にあっという間に飽き、自主退学。
その後7年間ほど、坊主(官僧)になるわけでもなく、
私度僧として山野を巡っていたといわれてます。
#今風に言ったらニートですよ、ニート。

しかし、この空海さんのすごいとこは、
周りのおっさんたちに愛されたと言うこと。

天才と言うと、なんだか孤独な感じがしますが、彼は違う。
何にも持ってない乞食同然の青年を、奈良の宗教界の大物が
心から支援するのです。
だから、彼は、当時日本に渡来している経典のほとんどを
見ることができました。


しかも、言語の才能も抜群だったため、この期間に中国語もぺらぺらに。
それどころか、当時インテリゲンチアとして認められるうえで
最高の技能であった「詩才」にも「筆才」にも恵まれたため、
中国語でもネイティヴが驚嘆するような文章を書くことができました。

なんだこいつ。
書いててすごすぎて腹が立ちますね。

でも、これほど才能のある人って嫌われやすいのに
周囲の人に愛されると言うのは、ホント珍しいですよね。
天真爛漫な彼の性格によるものでしょうか。
ひょっとしたらそれこそが彼の最も重要な才能だったかもしれない。

彼は両親、また都で出世していた叔父をはじめ、
子供の頃からありったけの愛情を持って育てられました。
それは彼の未来を明るさで満たす光となっていたように思います。

とと、長くなるなあ、この話(笑)。

まだまだつづきます。
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# by ichimorimube | 2007-05-10 19:54
日本とチベット~現代密教もがんばってます
c0116774_949498.jpg昨日は護国寺で開催されている
「チベット・スピリチュアル・フェスティバル」
に行ってきました。
http://www.gokokuji.or.jp/


ダライラマ東京事務所と真言宗豊山派の共同開催。こういう企画はなかなか無いですよね。
お互い密教の正統な伝承者であるという共通項が、このユニークな企画を実現させてのかな。
護国寺も全面協力で、普段は秘仏の如意輪観音さんやお薬師さんもご開帳してました。
仏像好きには逃せませんね。
そしてなんと言っても本物の砂曼荼羅を見られる機会はめったにありません。
それを見るだけでも行く甲斐があるってなもんです。

会場はまさにチベット仏教と真言宗のコラボレート。
民族衣装を着た女性、チベット僧に、日本人の坊様、ギャル系の女の子、
着物の女性に、境内を走り回る子供たち。
いいお天気の中なんとも言えず平和な風景で楽しゅうございました。


ところで、この「密教」ですが。
なんだかわかります?


日本にはありとあらゆる仏教の宗派が伝来し、
なおかつかなりそのまま保存されています。
#また、新しい宗派を日本人が作り出してもいます。


密教とは、秘密仏教の略。
ゴーダマ・シッダールタ(釈迦如来)を祖とした仏教に
ヒンドゥ教の一派タントラ教の影響をがっちり融合させて
インドで発生した一流派です。

私はあくまでも素人で詳しくありませんが、
仏教の中で、密教というのは本質的にどうも異質な感じがします。
#なんと言ってもお釈迦さんが唯一重要な如来じゃないんですからね。

とは言え、日本人にとってもっとも親近感のあるのもこの密教。

たとえば弘法大師こと空海さんが、
中国で中国密教の正統な継承者であった恵果さんから
正統な継承者として認められ、その法灯を日本に移しました。
#中国では密教が今にも消えそう、という危機感があったのでしょう
そのため、貴重な経典がたくさん伝来しています。
この教えを今に伝えるのが「真言宗」です。

一方、インドからダイレクトに経典を輸入し、
保存し、発展させたのがチベットです。
その中に密教ももちろんあり、9世紀後半大流行して定着したらしい。

海を越えて島に渡ったためにそのまま保存された日本。
高い山のうえに運ばれたためにそのまま保存されたチベット。
#チベットは今最大の危機にあるわけですが…

それが、この東京で出会う…。

う~んロマンだ~。


このフェスティバル、今日までやってます。
入場は無料。
お近くの方はぜひどうぞ。
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# by ichimorimube | 2007-05-06 09:50
気づいたら始まっていた彷徨の旅
カム!をご覧の皆さん、こんにちは。
イチモリムベです。

「イチモリ」が姓で、「ムベ」が名です。
よろしくお見知りおきのほどを。


さて、私は現在「無職」です。

先月11年勤めていた出版社をやめまして、
人生の休暇を楽しんでおる最中でございます。

ものすごいヒマ!と叫ぶはずでしたが、
人生、なかなか思うようにはいかず。
やめてすぐに仕事でお世話になった方を訪ねて
京都、奈良を旅し、シンポジウムなど覗いておりましたら、
辞典を作りたいので、ちっと手伝って~、などという依頼などいただき、
無料で地味にお手伝いなどしつつ、先週は沖縄に滞在しておりました。


しまった!私の中に人生において重要なキーワードがいくつかあるんですが、
もうすでにわずかこの数行のうちにほとんど出してしまった……!
浅はか…。


……思えばこの彷徨は、物心ついたときより始まっていたのでした。

母親の証言によりますと、5歳の時にはすでに仏像が好きだったそうです。
また、父親の証言によりますと、最初にほしがった書籍は
『エジプトのミイラの作り方』という絵本だったとのこと。
図書館で借りてくる本も神話や民話、古典、歴史の本などばかり。

しかしいやですね~、こんな子供。
我が両親はよくもまあまっとうに(?)育ててくれたもんです。


それはさておき。


最近ふと気づいたのですが、
自分の中にはどうも一つのテーマがドカンと居座っているようなんです。
なぜ仏像が好きだったのか、歴史、民話や神話を好んで読んだのか。
そして大学では社会学を学んだのか。

それは、

「日本人とは何か、
日本文化とは何か」


というテーマです。


私はどうもこのどうしようもなく大きなテーマを訪ねて
その周辺をぐるぐる彷徨しているようなのです。

司馬遼太郎さんはじめ、さまざまな偉大な先達が取り組んできた
ものすごいど真ん中ストレートな命題。
ちょっと恥ずかしいほどまっとうなテーマ。

すごすぎて言うのも恥ずかしいので、誰にも言ってこなかったんですが、
最近歳も重ねて恥はかき捨てあたってくだけろ!という気分になってきています。
つまり、とうぶん彷徨しまくってやろう!と心に決めました。
真正面から取り組む気になってきた、ということなのです。

このブログではその辺の彷徨っぷりを記していきたいと思います。

それでは、心優しき皆様、
どうかお付き合いのほどを。
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# by ichimorimube | 2007-05-01 17:35