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聖武天皇の願い
昨年の12月に再開宣言したのに、気がついたら春・・・

やばひ・・・

構えずに、日記代わりに書いていくことにします。

さて、今日は奈良国立博物館の西山先生が
日本橋にある奈良県のまほろば館で講演会をされるというので
いってきました。

西山先生は、こないだ担当した『仏像の本』の監修をしていただいて以来、
懇意にしていただいている大好きな先生。
来年出版する本を担当させていただく予定なのです。

それにしても先生の講演はいつも面白い!

先生は、仏教の経典や歴史の専門家なんだけど、
その語り口はいわゆる『研究者』ではなくエンターテイナー。

たとえば、先生が東大寺の話をしだすと、
そこにまるで生きている人がいるように動き出します。
たとえばこんな風。


東大寺を作った聖武天皇の、
苦悩の果てに到達した結論としての東大寺・国分寺建立。
聖武天皇はなぜあんなに大きな仏像を造ったのか??

そこには聖武天皇の切なる願いがあったのです。

当時、日本中がメチャクチャでした。
旱魃による飢餓、天然痘の流行、さらに地震。
当時天皇には強力な力があると信じられており、
世が乱れるのはその天皇の徳が足りないからだと考えられていました。

まじめな聖武天皇は、それを心から信じ、
自分の行いが至らないから世が乱れるのだ、と苦悩していたといいます。
さらに追い討ちをかけるように、やっと生まれた息子さんも一歳になる前に病死。

聖武天皇は、そこで大仏を建立することを決意します。
仏像を造ることを宣言した文章の中に次のような言葉があるそうです。

「すべての動物、すべての植物がともに栄える世の中を造りたい」

人間だけではないんですよ。ほかの動物も、さらには植物も、
生きとし生けるものすべてが栄える世の中を彼は理想郷としたのでした。
こういう理想を持った王様がいるなんてほんと嬉しいですよね。

理想は理想、現実とは違う。

そう言う人もいるかもしれません。
でも、それを痛いほど分かっていたのは聖武天皇自身だったでしょう。
でも彼は願わずに入られなかったのです。
みんなが幸せな世界を。

そして、そんな願いをこめた仏像を造るなら、
みんなで力を合わせて作りたい。
お金持ちだけで作るのではなく、貧しい人、子供も。みんなです。

聖武天皇は、庶民のために尽くして民衆に人気の高かった行基さん
というお坊さんに協力を要請します。

「一本の草を持って来た人にも、土を握ってやってきた人にも
手伝ってもらおう」

それが役に立つかどうかが重要ではないのです。
大切なのはその人の「心」。

そんな天皇の願いはかなえられました。
大仏は無事完成したのです。

そういう話を聞くと、あの大きな大仏殿が
そんな願いの結晶だということが感じられますよね。
そう思うと、本当に感動してしまいます。

先生の話だと、1200年前の人が
まるでそこにいるかのように感じられるんですよね。
アア、歴史上のそんなに偉い人でも、私と同じ人間だったんだなあって。

先生の本は、読者がそんな風に感じてもらえる本にしたいですね。
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by ichimorimube | 2009-04-29 21:10