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奈良で仏像を観よう!①1日目は明日香村
前回、お話しましたが、
それでは、まず仏教黎明期(6~9世紀)の仏像を観にいきましょうか。

黎明期、と言ってしまうと大雑把ですね。
ちょっと専門用語で言いますと、
飛鳥(~645)、
白鳳(645~710)、
天平(710~794)、
弘仁(809~822)・貞観(859~876)仏
と呼ばれるものを中心に観て行きます。

飛鳥仏、白鳳仏、天平仏、弘仁・貞観仏
というのは、優れたものが多く、
またいかにもそれらしい特徴を持っているため、
特にそのように呼び習わします。

用例:
「興福寺の山田寺仏頭はいかにも白鳳仏らしい端正さとおおらかさがあるね」
「興福寺の阿修羅像はいかにも天平の仏師ならではの自由な解釈があるね」


この「いかにも」というのは、数を見ていくと自ずとわかります。
時代の雰囲気というか、そういうのが各時代にあるんですよね。
違う作者でもなんか共通の空気感を持ってるんです。
同時代性というんですかね。


おっと、また細かい話ばっかりしちゃった。
とにかく旅に出ましょうね。

もし、二泊三日で奈良に行くなら
こんなコース、というのを考えてみましたよ。


一日目:
とにかく源から観て行きましょう。
飛鳥時代に都があった明日香村で一日過ごします。
明日香村は自転車で廻ると良いです。

飛鳥寺
http://www.kasugano.com/kankou/asuka/index6.html
飛鳥寺には「飛鳥大仏」と呼ばれる
釈迦如来像(銅像・鋳銅としては日本最古)があります。
鞍作止利(くらつくりのとり)仏師作、北魏式の杏仁(きょうにん)型の目、
アルカイックスマイルと呼ばれる微笑をたたえた唇。
けして上手ではありませんが、
圧倒的な存在感。たまりません。


岡寺
http://www4.kcn.ne.jp/~balance/top.html
天平仏のご本尊・如意輪観音像…日本最大の塑像(粘土製の仏像)と、
菩薩半跏思惟像…寺伝によると如意輪観音、
     でもどう見ても弥勒菩薩っぽい金銅仏(金属製の仏像)


橘寺
ここにはとても美しい如意輪観音像があります。
藤原時代(平安中期)の作ですが、
スンバらしいのでついでに押さえておきましょう♪

この三つのお寺さんを廻ると、なんとも言えない
古代の大らかな空気感を追体験できます。
建物などはもう往時のものではないので
こじんまりとしてるんですけど、ね。

本稿では余談になってしまいますが
ご存知の通り、明日香村はさまざまな遺跡がたくさん点在してますので、
そういうのもうまく組み込みつつ行きましょう。特に石造物は必見ですよ。
朝鮮半島直系の素晴らしい石造物がたくさんあります。
石造物の話はまた今度機会があったらお庭と絡めてお話したいと思います。



さて次回・二日目は斑鳩の里を廻ります。
聖徳太子がらみのお寺さんてんこ盛りです。
by ichimorimube | 2007-10-04 00:59